2026/07/02

Google AntigravityにClaude Codeを入れてトークン分散開発

Google AntigravityにClaude Codeを入れて、トークンを2社に分散しながら開発している

週の真ん中でGeminiのクォータが尽きて、AIエージェントが一切動かなくなったことがある。締め切り前だったので正直かなり焦った。それ以来、自分はGoogle Antigravityの中にClaude Codeを同居させて、トークン消費をGoogleとAnthropicの2社に分散させる運用にしている。導入自体は拡張機能とnpmコマンド1本で終わる。その手順と、どうタスクを振り分けているか、また詰まったところの話。

Antigravityだけで回していた頃

Antigravityは2025年11月にGoogleが出したエージェント開発環境で、公開当初は無料プレビューながらGemini 3 Proがかなり太いクォータで使えた。エディタ自体はVS Codeがベースになっていて、Agent Managerで複数のエージェントを並列に走らせられるのが特徴。自分もリリース直後に乗り換えて、調査からコード生成まで全部Antigravityに寄せていた時期がある。

ただ、無料で気前がいい状態は長く続かなかった。2026年に入ってから無料枠やProプランのクォータが大きく絞られた時期があって、Googleの公式フォーラムでも「5時間でリセットされるはずの上限が数日戻らない」という報告をいくつも見かけた。自分の環境でも、週の半ばで上限に到達してそのまま数日エージェントが使えなくなったことが実際にあった。その後2026年5月にGoogleがAntigravityのGeminiモデルの使用上限を2回にわたって3倍に引き上げたので今はだいぶマシになったんだけど、「1社のクォータに全部乗せるのは危ない」というのがこのとき骨身に染みた。

AntigravityにClaude Codeを入れる

で、保険としてClaude Codeを同じエディタに入れることにした。AntigravityはVS Codeベースなので、拡張機能がそのまま使える。手順は素直で、左のサイドバーから拡張機能ビューを開いて「Claude Code」で検索し、「Claude Code for VS Code」をインストールするだけ。

拡張機能を入れる前提として、Claude Code本体(CLI)が必要になる。ターミナルからnpmで入れておく。

# Claude Code CLI をグローバルインストール
npm install -g @anthropic-ai/claude-code

# バージョン確認(インストール成否のチェック)
claude --version

# 初回起動。ブラウザが開いて Anthropic アカウントの認証が走る
claude

初回起動時にAnthropicアカウントでのログインを求められる。自分はClaude Proのサブスクリプションで使っているので、APIキーではなくサブスク認証を選んだ。ここで課金体系が分かれていて、サブスク認証ならPro/Maxプランの利用枠内で使い放題(レート上限あり)、APIキー認証なら従量課金になる。毎日使うならサブスク一択だと思う。

拡張とCLIの関係

ちょっと分かりにくいのが、拡張機能は本体ではなくUI統合レイヤーだという点。実体はターミナルで動くCLIで、拡張機能はそれをエディタのパネルに埋め込んで、開いているファイルの文脈を渡したり差分をエディタ上に表示したりしてくれる。なので極端な話、拡張機能を入れなくてもAntigravityの統合ターミナルで claude と打てば普通に動く。

どっちに何をやらせるか

2つのエージェントが1つのエディタに住んでいる状態になったので、タスクの振り分けを決めた。いま自分はこんな分担で使っている。

タスク 担当 理由
技術調査・比較検討 Antigravity(Gemini) エージェントを並列に走らせて調査させるのが得意
実装・リファクタリング Claude Code 既存コードの読解と差分編集の精度が高い
使い捨てスクリプト生成 Antigravity(Gemini) 精度要求が低いのでGemini枠を消費させる
デバッグ・原因調査 Claude Code コマンド実行と仮説検証のループが速い

要は、精度が要る作業かどうかでトークンの使い先を変えている。調査系や使い捨てコードはGemini側の枠で回して、コードベースに手を入れる作業はClaude側に寄せる。こうするとどちらか一方のクォータだけが突出して減ることがなくなって、週の後半に枯渇するリスクが下がる。Anthropic側も2026年5月にPro/Maxプランの5時間レート上限を2倍に引き上げたので、実装作業を寄せてもそう簡単には詰まらなくなった。

あと地味に効くのが、上限のプールが完全に独立していること。Claude Codeは5時間ごとのレート上限と週次上限の二段構えで、AntigravityのGemini枠も5時間のローリング枠と週次ベースラインの組み合わせ。仕組み自体は似ているんだけど、消費のカウントは当然別々なので、片方が上限に当たってももう片方は生きている、という状態を作りやすい。

クォータが尽きたときに実際やったこと

導入して終わりではなくて、一度ちゃんと詰まったのでその話も書いておく。ある日Antigravity側で Model quota exceeded 系のエラーが出てエージェントが止まった。表示上はリセットまでの時間が出ていたのに、その時間を過ぎても復活しない。調べたら同様の報告がGoogleのフォーラムに複数上がっていて、クォータ管理側の不具合で複数日ロックされるケースがあるらしかった。

このとき取った対処は3つ。まず走らせていた調査タスクをClaude Code側に移した。次にAntigravity側は、使えるうちからGemini 3 Proではなく軽量なFlash系モデルに落として、クォータ消費のペース自体を下げるようにした。あとは、ロックが解けない間の作業をClaude Codeのプランモードで設計だけ進めておいて、実装を後から流すようにしたくらい。2社分散にしていたおかげで、開発自体は止まらずに済んだ。逆に言うと、分散していなかった頃のクォータ切れは本当にただの休業日だった。

わざわざ2社に課金する意味はあるのか

この運用の欠点ははっきりしていて、Google AIのプランとClaude Proの二重課金になること。月あたりのコストは普通に増える。1社に絞ってその分上位プランに上げた方が、単純なトークン量では得になる可能性も全然ある。

それでも自分が分散を選んでいるのは、クォータ切れ・障害・突然のプラン改定みたいな「片方が使えなくなるリスク」への保険としての価値が大きいから。2026年前半のクォータ騒動を経験した身としては、AIエージェントが開発フローの中核に入り込んでいる状態で供給元が1社というのは、単一障害点そのものなんだよね。モデルの得意分野が違うのでタスクごとに使い分けられるという実利もあるし、少なくとも自分の使い方では二重課金分の元は取れていると思ってる。

APIの従量課金で好きなモデルを都度呼ぶという代替案も検討したけど、エージェント用途はトークン消費が読めないので、上限が事前に分かるサブスクの方が精神衛生上よかった。ここは開発スタイル次第かもしれない。

いまの落としどころ

AntigravityにClaude Codeを入れる作業自体は、拡張機能の検索とnpmコマンド1本で終わる。難しいのは導入ではなくて、その後の「どっちに何をやらせるか」の設計の方だった。自分の場合は、調査と使い捨てはGemini、実装とデバッグはClaudeという分担に落ち着いて、クォータ切れで開発が止まる日はなくなった。

AIコーディングツールはどれも進化が速くて、クォータや料金の条件は数ヶ月単位で変わる。実際Antigravityのクォータも、リリースからの半年ちょっとで絞られたり3倍に戻ったりを繰り返してきた。だからこそ特定の1社に依存しない構成にしておくのが、いまのところ一番堅い選択だと感じている。