Google Antigravity を利用して 概算見積作業 を行ってみた

何故、見積もりは辛いのか

「とりあえず、ざっくりでいいから明日までに見積もり出してよ」

営業やクライアントから飛んでくるこの無邪気な一言に、胃がキリキリした経験は誰にでもあるはずです。「ざっくり」と言いながら、後から「あの時の金額でいけるよね?」と詰められる恐怖。仕様も決まっていないのに数字を出さなければならない矛盾。

正直、エンジニアやPMのリソースを「まだ受注できるかわからない案件」の試算に大きく割くのは、経営的にも痛いんですよね。本来なら、要件定義や設計といったクリエイティブな部分に頭を使いたいところです。

そこで今回は、話題のAIエージェント**Google Antigravity**を使って、この不毛な(失礼)作業をどれだけ効率化できるか試してみました。

Google Antigravity での解決策

Antigravity Advantage

Antigravityは単なるチャットボットではなく、プロジェクト全体のコンテキスト(文脈)を理解し、ファイルを読み書きできる自律型エージェントです。

通常の見積もり作成では、過去の類似案件を探し出し、Excelをコピペし、行数を数え…といった地道な作業が必要です。しかしAntigravityを使えば、「資料を渡して、計算ロジックを教える」だけで、たたき台を一瞬で作ってくれます。

ポイントは **「案件ごとのコンテキスト分離」** と **「資料のダイレクト投入」** です。

実践フロー:企業+案件ディレクトリ戦略

まず最初にやるべきことは、AIに「今から何をするのか」を明確に伝えるための空間づくりです。

Step 1: 専用ディレクトリの作成

Antigravityを起動したら、まず企業名と案件名の階層構造でディレクトリを作成します。これが見積もりの「作業部屋」になります。

/Users/myname/projects/ClientA/RenewalProject

そして、AIにこう伝えます。

「ClientA社のRenewalProject用ディレクトリを作成しました。ここは概算見積もりを行うためのプロジェクトです。」

これにより、AIはこのディレクトリ内での作業に集中し、他の案件と情報が混ざることを防げます。

Step 2: 資料の投げ込み

次に、クライアントから貰ったRFP(提案依頼書)や、メモ書きレベルの要件定義書(テキストファイルやPDF)、議事録などを、作成したフォルダにそのまま「投げ込み」ます。

ファイル名がバラバラでも、フォーマットが混在していても構いません。生の情報をそのまま渡すのが、AI時代の手抜…ではなく、効率化のコツです。

Step 3: ダークデータ(PDF)のテキスト化

PDFや画像データは、そのままだと解析精度が落ちたり、読み込みに時間がかかることがあります。そこで、Antigravityに「道具」を使わせてテキスト化します。

「この環境で利用可能な、PDFからテキストを抽出するツール(pdftotextなど)を探してください。見つかったら、それを使ってディレクトリ内の全PDFをテキストファイル(.txt)に変換してください。」

自分でコマンドを調べる必要はありません。「ツールを探して実行して」といえば、勝手に環境を調査して最適な手段を実行してくれる。これがAIエージェントの真骨頂です。

Step 4: 情報の集約(Markdown清書)

すべてテキストデータになったところで、情報を一冊のノート(Markdown)にまとめさせます。

「変換されたテキストと既存の資料をすべて読み込み、プロジェクトの背景、目的、主要機能を整理して summary.md という1つのMarkdownファイルにまとめてください。」

こう指示することで、AIは散らばった情報を体系化し、「私が理解したこのプロジェクトはこういうものです」と提示してくれます。ここで認識齟齬があれば、見積もり前に修正できるわけです。

Step 5: AIへの教え方と見積もり

プロジェクトの全体像が summary.md に固まったら、いよいよ計算のルール(コンテキスト)を教えます。ここがマネージャーの腕の見せ所です。

基礎情報の定義

以下のようなプロンプトで、見積もりの前提条件をインプットします。

【見積もり前提条件】
- 人日単価: 50,000円
- 管理費: 全体の10%
- バッファ: 不確実性が高い項目は1.5倍のリスク係数を乗せること
- 開発期間: 3ヶ月想定

上記設定に基づき、フォルダ内の資料から「機能一覧」を抽出し、工数概算を行ってください。

これだけで、Antigravityは資料を読み込み、機能をリストアップし、それぞれの難易度を判定して工数を算出してくれます。

「ログイン機能…認証含む…3人日」「管理画面…CRUDあり…5人日」といった具合に、驚くほどそれっぽい数字が出てきます。

結果とまとめ

実際にやってみた結果、人間がやると半日はかかる「機能洗い出し」と「初期見積もりExcel作成」が、わずか数分で完了しました。

もちろん、最終的には人間の目でのチェックと調整は必要です。しかし、ゼロから積み上げるのと、8割完成した状態から修正するのとでは、精神的な負荷が全く違います。

「まずはAIにたたき台を作らせる」。これからのマネジメントの常識になりそうです。

説明用の動画も生成してもらいました

執筆・監修者情報

KIX(エンジニア兼管理職)

業界歴20年。現場のエンジニアリングからマネジメントまでを統括。技術の変遷を実体験として持つ専門家。

※本記事はAI技術を活用して初稿を作成し、執筆者が内容の正確性と技術的背景を詳細に検証・編集しています。